想田和弘監督作品・観察映画第3弾・第4弾

演劇1 演劇2

Director's Note 想田和弘監督から
Review 内田樹さんによる映画評

平田オリザ(ひらた・おりざ)

平田オリザ(ひらた・おりざ)写真 1962年東京都生まれ。劇作家・演出家。大阪大学コミュニケーションデザイン・センター教授、四国学院大学客員教授・学長特別補佐、こまばアゴラ劇場芸術監督、三省堂国語教科書編集委員、(公財)舞台芸術財団演劇人会議理事長、(財)地域創造理事、日本劇作家協会副会長、東京文化評議会評議員、文部科学省コミュニケーション教育推進会議委員(座長)も務める。
 83年、国際基督教大学在学中に劇団「青年団」を結成。「現代口語演劇理論」を唱え、95年に演劇論集『現代口語演劇のために』(晩聲社)を刊行。同年、『東京ノート』で第39回岸田國士戯曲賞。98年『月の岬』(作:松田正隆、演出:平田オリザ)で第5回読売演劇大賞最優秀作品賞・優秀演出家賞、2002年『芸術立国論』(集英社新書)でAICT(国際批評家協会)演劇評論家賞、03年『その河をこえて、五月』で第2回朝日舞台芸術賞グランプリを受賞。08年、大阪大学にて世界初のロボット演劇『働く私』を発表、10年には、あいちトリエンナーレにてロボット版『森の奥』(平田オリザ+石黒研究室)、アンドロイド演劇『さようなら』を上演 。フランスを中心に世界各国で作品が上演・出版されている。
 また、コミュニケーションデザインの教育・研究に携わり、日本各地の学校において対話劇やワークショップを実践するなど、演劇の手法を取り入れた教育プログラムの支援・開発にも注力し、その活動は多岐にわたる。
 2009年、鳩山内閣の官房参与となり総理演説や情報発信にも取り組む。11年、フランス国文化省より芸術文化勲章シュヴァリエの叙勲を受ける。戯曲以外の著書に、『演劇入門』(講談社現代新書)、井上ひさし氏との対談集『話し言葉の日本語』(小学館)、『ニッポンには対話がない』(共著/三省堂)、『総理の原稿』(共著/岩波書店)など多数。

青年団(せいねんだん)

青年団(せいねんだん)写真 平田オリザを中心に1982年に結成された劇団。「こまばアゴラ劇場」を拠点とし、現在、俳優部84人、演出部には22人(2012年6月現在)が所属する。
 2002年には青年団に所属する演出家が、劇団内で不定形のユニットを作り「こまばアゴラ劇場」を中心に、独自の企画を行う公演として「青年団リンク」を立ち上げる。複数の演出家、劇作家、多数の俳優を有し、多彩な演目を観客に提供するという日本では珍しい「シアターカンパニー」として活動を続ける。
 映画『東京人間喜劇』『歓待』で監督を務めた深田晃司は演出部に所属(深田氏は『演劇1』にも登場)。青年団より独立したカンパニーには、「五反田団」(前田司郎)、「サンプル」(松井周)、「ままごと」(柴幸男)、「東京デスロック」(多田淳之介)、「青☆組」(吉田小夏)などがある。2012年8月より『銀河鉄道の夜』(原作:宮澤賢治/作・演出:平田オリザ)全国公演、10月から吉祥寺シアターにて第69回公演 青年団+大阪大学ロボット演劇プロジェクト アンドロイド版『三人姉妹』(原作:アントン・チェーホフ/作・演出:平田オリザ/テクニカルアドバイザー:石黒浩)、12月より第70回公演『サンタクロース会議』(作・演出:平田オリザ)の東京公演を控える。

青年団公式WEBサイト
http://www.seinendan.org/

想田和弘(そうだ・かずひろ)

想田和弘(そうだ・かずひろ)写真 1970年栃木県足利市生まれ。東京大学文学部卒。スクール・オブ・ビジュアルアーツ卒。93年からニューヨーク在住。NHKなどのドキュメンタリー番組を40本以上手がけた後、台本やナレーション、BGM等を排した、自ら「観察映画」と呼ぶドキュメンタリーの方法を提唱・実践。
 その第1弾『選挙』(07年)は世界200カ国近くでTV放映され、米国でピーボディ賞を受賞。ベルリン国際映画祭へ正式招待されたほか、ベオグラード国際ドキュメンタリー映画祭でグランプリを受賞した。第2弾『精神』(08年)は釜山国際映画祭とドバイ国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞、マイアミ国際映画祭で審査員特別賞、香港国際映画祭で優秀ドキュメンタリー賞、ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭で宗教を超えた審査員賞を獲得するなど、受賞多数。2010年9月には、『Peace』(観察映画番外編)を発表。韓国・非武装地帯ドキュメンタリー映画祭のオープニング作品に選ばれ、東京フィルメックスでは観客賞を受賞。香港国際映画祭では最優秀ドキュメンタリー賞を、ニヨン国際映画祭では、ブイエン&シャゴール賞を受賞した。著書に『精神病とモザイク』(中央法規出版)と『なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか』(講談社現代新書)がある。最新作『演劇1』『演劇2』の劇場公開に合わせて、岩波書店から『演劇 vs. 映画ードキュメンタリーは「虚構」を映せるか』を刊行予定。

観察映画の周辺 Blog by Kazuhiro Soda
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